日本の神社は、私たちの生活に深く根ざした神聖な場所です。この記事では、参拝前の準備から帰りの鳥居をくぐるまでの全てについてわかりやすく説明します。
既に一通り把握している場合は、目次をみてわからない箇所があったら、読んでみてください。
行く前から帰るまでの全てを知りたい人は最初から順番に読み進めてみてください。
1.参拝前の準備
1-1.服装
神社への訪問は、心と身体の準備から始まります。特別なルールや制限はないですが、清潔で控えめな服装を選び、静かな心持ちで神聖な場所を訪れることが大切です。
1-2.参拝の時間
一般的な参拝時間は、神社が開いている朝から夕方までです。
それぞれの時間帯の特徴を以下に説明します。自分にあった時間を選んで参拝してみてください。
朝の参拝:清らかな始まり
朝の参拝は、一日の始まりに神様に挨拶するという意味を持ちます。新しい日のスタートに、清らかな気持ちで一日の安全と幸運を祈願するのに適しています。早朝は人も少なく、静かな環境で心静かにお参りできます。
昼間の参拝:日常の喧騒からの一時
昼間の参拝は、日常の忙しさから少し離れ、心を落ち着ける時間となります。多くの人が訪れる時間帯なので、社会とのつながりや人々の温もりを感じることができます。
夕方の参拝:一日の終わりに感謝を
夕方の参拝は、一日の終わりに感謝の気持ちを伝えるために行います。日没前の穏やかな時間に、一日の出来事を振り返りながら、心を落ち着けるのに適しています。夕暮れ時の神社は特別な雰囲気ですので、もしまだ夕方に参拝をしたことがないようでしたら訪ねてみてください。
メリット
早朝や夕方の参拝には、特にメリットがあります。一般的に人が少なく、静寂に包まれた環境で神様との対話を深めることができます。また、心と時間の余裕を持って祈りを捧げることができ、日々の喧騒から離れて自分自身と向き合う良い機会となります。
神社参拝の時間を選ぶ際には、自分の心の状態や求める体験に合わせて選ぶことが大切です。朝、昼、夕方というそれぞれの時間帯の特性を理解し、参拝することで、神様との繋がりをより深めることができます。
2.参拝の基本的な手順とマナー
2-1.鳥居のくぐり方と歩く位置
鳥居は神域への入口です。
鳥居の前に立ったら、まずは深呼吸をして心を落ち着け、日常の喧騒を忘れましょう。
鳥居をくぐる前に軽く一礼する習慣は、地域や神社によって異なることがあります。一般的には、鳥居をくぐる前に軽く一礼することで、神域への敬意を示すことができます。
鳥居をくぐる際、中央は神様が通る場所とされているため、鳥居の端を歩くことが礼儀とされています。静かに、神聖な場所への敬意を持って進むことが重要です。
鳥居をくぐるこの一連の行動は、神社参拝の最初のステップとして非常に重要です。心を整え、神域への敬意を示すことで、参拝の意義をより深く感じることができます。
2-2.手水舎(てみずや)の手順
鳥居から本殿に進み、手水舎(てみずや)がある場合は手と口を清めます。
手水舎で手と口を清める手順
手水舎への礼
手水舎に入る前に、手水舎そのものに軽く一礼します。
右手で柄杓を持つ
右手で柄杓(ひしゃく)を持ち、水をすくいます。すくった水はこの後の手順で少しづつ使います。
左手を清める
すくった水で、まず左手を清めます。左手に柄杓の水をかけます。
右手を清める
次に、柄杓を左手に持ち替えて、柄杓の水を右手にかけて、清めます。
口をすすぐ
再び柄杓を右手に持ち替え、清めた左手に水を受け、その水で口をすすぎます。口をすすいだ水は飲まずに吐き出します。柄杓に直接口をつけてはいけません。
最後に左手を再度清める
左手にもう一度水をかけて清めます。
柄杓を清めて戻す
柄杓を手前へ傾け、残った水で柄の部分を洗い清め、元の位置に戻します。
2-3.本殿での拝礼の作法
お賽銭を入れてから、拝礼します。一般的には二拝二拍手一拝です。
二拝二拍手一拝の作法は、まず深く二度お辞儀し、次に手を胸の前で二度打ちます。この時、心の中でお願い事を祈りましょう。最後にもう一度深くお辞儀をして、感謝の意を表します。
各神社で作法が違いますが、参拝時に確認ができる用に手順が書いてありますので、参考にしてください。
例えば、出雲大社では「二礼、四拍手、一礼」という手順で行います。
何も記載がない場合は、二拝二拍手一拝で大丈夫です。
2-4.拝礼を終えてからの作法
参拝を終えたら、本殿に向かって軽く一礼します。
境内を散策してもよいですし、順路が特に決まっていない場合は来た道で鳥居まで戻ります。
鳥居では本殿に向かって軽く一礼します。このときも中央は神様が通る場所とされているため、鳥居の端を歩くことが礼儀とされています。
3.参拝以外の作法について
3-1.お賽銭
「ご縁がありますように」と5円玉がいいと聞くことがありますが、金額はいくらでも大丈夫です。
心からの感謝と敬意を込めて投げ入れます。大切なのは、金額ではなく、心のこもった行為です。
3-2.おみくじ
神社参拝の際、おみくじを楽しみにしている人も多いはず。おみくじは、神様からのメッセージです。運勢やアドバイスが書かれています。
おみくじを引く際は、まず心を静かにし、神様に敬意を表してから行いましょう。おみくじを引いた後は、内容をゆっくりと読み、そのメッセージを心に留めます。吉凶に関わらず、神様からの助言として受け取ることが大切です。
吉の場合は、感謝の気持ちを持ちつつその運勢を大切にします。凶の場合でも、それは注意すべき点や改善のヒントと捉え、落ち込んだり気にするのではなく、前向きに受け止めてください。
おみくじは、持ち帰っても、神社の境内にある場所に結ぶんでもよいです。良い結果であれば持ち帰り、難しい内容であれば、それを神様に託す意味で結びます。持ち帰っても境内に結んでもどちらでもよいですが、境内に結ぶ場合は指定の場所以外に結ぶのはやめましょう。
おみくじは、神社参拝の際の一つの楽しみであり、自己省察のきっかけともなります。神様との対話を楽しみながら、日々の生活に役立ててみてください。
3-3.お札(おふだ)の受け取りと返納
お札は神社の授与所で受け取ります。お札は家の神棚に安置するなど、神様を身近に感じるためのものです。受け取る際は、敬意を持って丁寧に扱いましょう。
受け取り
お札は神社の授与所で受け取ります。お札は家の神棚に安置するなど、神様を身近に感じるためのものです。受け取る際は、敬意を持って丁寧に扱いましょう。
返納
年が明けて新しいお札を受け取る際、古いお札を適切に返納することが重要です。
返納する際は、神社の社務所や指定された場所に持っていきます。おふだを持参する際は、清潔な布や紙で包み、敬意を持って扱います。返納することで、神様への感謝と尊敬の意を示し、一年間の守護に対する感謝を表します。
受け取った神社に訪れることができない場合、他の神社に返納することも可能です。
3-4.絵馬について
絵馬は、日本の神社で見かける小さな木製の板で、参拝者が願い事や祈りを書き込んで神様に奉納する独特の文化です。絵馬に込められた願いや感謝は、神社の風景を彩るとともに、訪れる人々の心にも響きます。
絵馬の由来
絵馬はもともと馬の絵が描かれた板でした。馬は神様の使いとされ、馬に乗って神様が現れるという考えから、馬を贈る代わりに馬の絵を奉納する習慣が生まれました。
絵馬の種類とデザイン
最近は馬の絵だけでなく、神社の祭神や、干支、風景、学問の神様など、様々な絵が描かれています。
木ではない場合もありますし、個人情報保護の観点から、専用の袋に入れて飾る場合もあります。
願い事の書き方
絵馬に願い事を書く際は、自分の名前(匿名でも可)と日付を記入します。その後、心の中の願い事や感謝の言葉を丁寧に書きます。書く内容は、健康、家族の幸福、商売繁盛、合格祈願、恋愛成就など様々です。
絵馬の奉納方法
書き終えた絵馬は、神社に設置された絵馬掛けや指定された場所に掛けます。神様に直接願いを届け、叶えてもらうための象徴的な方法です。
絵馬の効果と意味
絵馬を奉納することは、願いを形にすることで自らの意志を強め、また、神様に願いを伝える信仰の行為です。多くの人々の願いが一同に集まることで、共感や励ましの気持ちが生まれます。
絵馬を通じて、人々は神様とのコミュニケーションを図り、自分の願いや感謝を形にします。訪れた神社で、自分の願い事を絵馬に託してみるのも、参拝の素敵な思い出となるでしょう。
3-5.御朱印について
御朱印は、日本の神社や仏閣を訪れた際に、その記念として受け取ることができる特別な印です。参拝者にとっては訪れた場所の記憶を形に残すだけでなく、神社や仏閣の美しい芸術作品を集める楽しみもあります。
御朱印の歴史と意味
御朱印は、もともと修験道の行者や巡礼者が訪れた証として仏閣や神社から授与されるものでした。現在では、参拝の記念として一般の参拝者にも広く愛されています。
御朱印帳の用意
御朱印を受け取る際には、専用の御朱印帳を用意します。御朱印帳は、神社や仏閣で販売されており、様々なデザインがあります。自分の好みや訪れた神社の特色に合わせて選ぶことができます。
御朱印の頼み方
御朱印は、神社の社務所や受付で頼みます。訪問時に御朱印帳を開いて提示し、御朱印を希望する旨を伝えます。御朱印の値段は神社によって異なりますので、参拝先で確認しましょう。
御朱印のデザイン
御朱印は、神社や仏閣ごとに異なるデザインが特徴です。それぞれの場所の神様や歴史、特色が反映されたデザインとなっており、一つ一つに独特の美しさがあります。
御朱印集めの楽しみ
御朱印集めは、全国各地の神社や仏閣を訪れる旅の楽しみの一つです。それぞれの御朱印を通じて、その場所の歴史や文化を感じ取ることができます。
御朱印は、神社参拝の思い出を形に残すだけでなく、日本の伝統文化への理解を深めるきっかけにもなります。訪れた神社の美しい御朱印を集めることは、特別な旅の記録として、心に残る宝物となるでしょう。
御朱印は守り刀!?
あまり知られていませんが、荼毘に付される際に、御朱印は心強い味方になります。
自分自身もしくは大切な人が旅立つときに持たせてあげると守り刀の役割にもなります。
4.まとめ
参拝前の準備から、鳥居のくぐり方、手水舎の使い方、本殿での作法、おみくじや御朱印等について、参拝の全過程を細かくご紹介しました。
神社参拝は、単なる儀式ではなく、日本の精神文化を体感する貴重な機会です。この美しい作法を守ることで、私たちは神聖な場所との繋がりを深め、心の平安を得ることができます。
細かいマナーや作法を書いている部分はありますが、神様への敬意と感謝の気持ちが一番大切です。
あなたの神社参拝の参考になることを願っています。